特別養子縁組とは
特別養子縁組は、産まれたお子さまをあたたかい家庭で愛情をもって育つ環境を作るために公的に設けられた制度です。
予期せぬ妊娠や経済的な事情などにより育てたくても育てられない親が、子どもの幸せを願い育ての親に託すことで、安定した養育を受けさせることができます。
特別養子縁組と普通養子縁組の違い
普通養子縁組は家の跡継ぎのためが多く、戸籍は「養子」となり実親との縁は切れません。養親と実親と2組の親が存在することになり扶養や相続関係も二重になります。
一方、特別養子縁組は裁判を通し、親権は実親から養親に移り戸籍も「養子」ではなく「子」に移ります。
法律上、実親との縁は切れ養親の実子扱いとなり、縁組成立後は原則的に離縁はできません。
養親が家庭裁判所に申し立てをしてから約6 カ月の試験養育期間の後、結審が言い渡され特別養子縁組が確定すると子どもの戸籍は実親から養親へ移り、法律上「養親」だけが親となります。
- 特別養子縁組
- 普通養子縁組
-
- 目的
- 実親が子どもを育てることが著しく困難な場合に子供の福祉を守るため
- 「家」の存続など、主に当事者の都合により子どもを迎え入れるため
-
- 成立
- 裁判所に申し立てを行い、審判の結果認められた場合
- 基本的に当事者と親権者間による契約
-
- 養子の年齢
- 原則、裁判所申し立て時点で15歳未満
- 制限なし
-
- 養親の年齢
- 婚姻している夫婦で、一方が25歳以上
-
成年または婚姻している未成年
成年の場合は未婚でも可
-
- 実親との関係
-
養親だけが親子の関係となる
養子は養親の姓を名乗る -
実親と養親の2組の親を持つ。
養子は養親の姓を名乗る
-
- 戸籍上の続柄
-
養親のみ記載される
書面には「長男」「長女」と記載 -
実親と養親の両方の名前を記載
書面には「養子」「養女」と記載
-
- 相続
- 養親のみの扶養義務、相続権を持つ
- 実親と養親の2組の扶養義務、相続権を持つ
-
- 離縁
-
原則として離縁はできない
ただし、養親の虐待などがあれば、養子、実親、検査官の請求により離縁できる - 養父母または15歳以上の養子の協議でいつでも可能
-
- 養育試験期間
- 6か月以上
- 特になし
-
- 親権
-
養親に変わる。
法律上、実親との縁は切れる - 実親のまま
-
- 身分事項欄
-
養子縁組の記載なし
民法817条の2と記載される - 縁組事項について記載