裁判の流れ
赤ちゃん受け取りから、特別養子縁組成立までの流れを
実際のケースを例にし、ご説明いたします。
生後7ヶ月でスムーズに確定したケース
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育成 0 日目
赤ちゃん受け取り
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育成 1 日目
住んでいる地域の役所、児童相談所に諸手続き
裁判所に「特別養子縁組申し立て」の申請手続き -
育成 31 日目
家庭裁判所 面接
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育成 - 日目
実親様と調査官の面談
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育成 99 日目
第1回調査官来宅(2名)
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育成 169 日目
第2回調査官来宅(2名)
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育成 182 日目
育成機関6か月経過
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育成 197 日目
特別養子縁組結審
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育成 199 日目
養親、実親にそれぞれ特別養子縁組成立通知書送付
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育成 220 日目
異議申し立て期間終了
家庭裁判所にて必要書類発行/住民票・本籍変更
生後わずか16日で、養親夫婦との初面談となりました。
生まれた病院を退院し、飛行機にのって会の事務所で数日育てられ、最寄りの駅までマザーさんとむぅちゃんが連れてきてくれました。
赤ちゃんの迎え入れの準備も大変ですが、それに加えて大変なのは管轄都道府県の家庭裁判所による特別養子縁組の認定裁判です。
どのように早くても育成期間が半年以上かかるということは決まっております。
後で知ったのですが、育成期間とは、養親が赤ちゃんを育て始めた日がスタートではなく、家庭裁判所が指定した日が育成期間のスタートとなりますので、なるべく早く申請する必要があります。
また、育成期間のスタート日もしっかり確認しておくとよいでしょう。
申請に必要な書類一式は、[Babyぽけっと]のスタッフの方が、赤ちゃん受け取りの当日に合わせて持ってきてくれますので、何も心配する必要はありませんでした。
その際に必要な書類などの詳しいことは、会のホームページなどを参照にすることをお勧めします。
そのあと、養子となる子の「国民健康保険」の取得申請をします。
また同時に、裁判所に「特別養子縁組申し立て」の申請をし、育成期間がスタートします。
管轄家庭裁判所の打ち合わせ室にて事情や経緯の詳細を説明をいたします。
調査官による決裁までの流れの説明
- 養親との面談(現状把握)
- 実親との面談(現状把握)
- 試験養育期間の説明(受け取りから約半年間)
- 調査官または児童相談所職員による家庭訪問・指導
- 裁判官による決済
調査官が気にしていると感じた点
- 結審まで、ある程度の期間がかかること
- 養子となる子にとって良い選択を行うこと
- 養親に十分な忍耐力と覚悟があるかどうか
普通養子縁組と特別養子縁組の違いについて認識の確認
- 戸籍謄本の明記の違いの認識確認
- 縁組破棄の際の違いなどの確認
質問事項
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子どもを受け取る養親の詳しい事情の確認
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養親が養子を受け取るまでの経緯の説明
なぜ夫婦で養子を迎えようと考えたのか?など細かく質問されるので、しっかりと回答できるように夫婦間で考えをまとめておく必要があります。
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養子縁組について、全体的な活動を時系列で説明
結婚~不妊治療~養子縁組の活動を始めるまでの時期や期間を説明。
具体的に細かく正確な時期を聞いてきました。正しく回答する準備が必要だと思います。 -
養子縁組のあっせん団体はどのようなところかを説明
登録時期(詳細を正確に)、なぜここの団体にしたのか、養親登録資格の確認、養親に選ばれた理由はあるのか、あっせん団体の発足時期や事務所の場所・連絡先・組織運営についてなど、団体に関してちゃんとした団体なのか、営利目的など違法行為を行っていないかを気にしていると感じました。
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子どもが誕生してから同居するまでの詳しい流れの確認
誕生日から退院、受け取りまでの説明をしました。
Babyぽけっとから該当連絡があった日時と状況や、事前に子育て研修の実施や受け入れ準備ができているかの確認までしていただいたことを細かく説明しました。
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養親となるための覚悟の確認
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自分たちの両親や兄弟、親せきに対して説明はしたのか
その親兄弟にいつ説明したのかを詳しく説明しました。
未説明はあり得ないという印象でした。 -
両親の反応はどうだったのか
養子について話した際の両親の反応を説明しました。
養親を取り巻く親族との付き合いが良好で養子として認められているのか?を聞かれていると感じました。 -
告知をするのか
小学校に上がる前に告知すると回答しました。
子どもが真実を知る権利について認識できているかを確認されました。
段階を経て告知の時期や告知する範囲など夫婦でよく考え、子供に伝えていく意思を伝えました。
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実親について認識していることの確認
実父、実母についての説明、赤ちゃんを養育できない理由について知っている範囲でを説明しました。
また、この実親の状況について養親としてどのように考えているかの確認もされました。 -
養子についての確認
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名前について
名前はだれが付けて、どのような意味なのかなどを確認されました。
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健康状態について
現状養子となった子どもがどのような状態か、健診は受けたのか、将来体に障がいなどが発生したときはどのように考えているか?などを聞かれました。
明確に障がいがあったとしても育てる覚悟をはっきりと伝えました。 -
行政との関わりについて
住民票の異動や国民健康保険の取得について、その他行政(市の子ども支援課など)との関わりについて確認されました。
行政と柔軟にかかわりを持って活動していることを伝えました。 -
現在の養育の関わり方
お風呂はどのようにしているか、養子は普段、自宅のどこの部屋にいるのか?寝室は家族一緒なのか普段の起床時間と就寝時間の確認など、養育開始後の普段の生活状況について聞かれました。
記録表(育児日誌)を提出し、日々の生活記録から養育状況のを詳しく説明しました。
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養親や周りを取り巻く環境についての確認
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夫婦について
結婚に至るきっかけから結婚までの説明(詳しく時期まで)
夫婦同居のタイミング(同居開始時期に結婚していたか否か)の確認をされました。
また、夫婦の健康状態の確認(持病などはないか)もありました。 -
養父について
養父の学歴、職歴、勤務先、仕事の内容・勤務時間、(将来的に)、転勤などなどを詳しく確認されました。
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養母について
起床時間~就寝時間まで養育開始後の一日の動きなどを説明しました。
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預貯金や財産についての確認
預貯金の金額や資産(持ち家など)の確認、住居の内容を確認されました。
ペットの有無も聞かれました。 -
預貯金や財産についての確認
預貯金の金額や資産(持ち家など)の確認、住居の内容を確認されました。
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養親の家族について(両親・兄弟など)の確認
親兄弟の年齢、住所、家庭をもっているのか、同居しているのか、またその家族構成・家族の年齢・仕事状況・健康状態などを詳しく確認説明しました。
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調査官が気にしていると感じた点
- 養父がきちんと育児に協力しているのか
- 養親の両親など子育てへの協力があるのか
- 無理していないか
- 夫婦でよく話し合われ、意見が一致しているか
家の中を案内して、アルバムを見せて育児日記を提出、赤ちゃんの発育状態や生活について会話をして、想像していたより簡単に終わりました。(1時間くらい)
赤ちゃんも可愛がってもらいました。
また、家族の幸せそうにしている写真1枚と赤ちゃんのベストショット1枚を提出。裁判長にみてもらうようです。
更に、[Babyぽけっと]からいただいた、デイリーの育児日記表の現在までのコピー(カラー)を提出しました。会のご指導がありましたので、こちらも終始リラックス。調査官の方々も文句のつけようの無いという印象でした。
すでに実親さんと調査官による面接は済ませた上での家庭訪問となりました。実親さんが、私たちが書いて会が届けてくださった感謝の手紙をとても大切にしてくれていることを話してくれました。
手紙に対しましては調査官の方々も好印象をもってくださったようです・・・。
実親さんが時期が来たら、赤ちゃんに会ってみたいと言っていたことなどを話してくれました。調査官が実親さんを一生懸命フォローして私達(養親)に良い印象を持ってもらおうとしていたことが、非常に興味深かったです。
これらのことにより、逆に調査官に対する好印象を持ちました。
我が家のケースでは、児童相談所の方の訪問はなしとのことでした。
それが、私たちの管轄の都道府県の裁判所の方針なのか、それとも私たちのケースがそうなのかはわかりませんでした。
ただ、児童相談所職員の家庭訪問は裁判所が訪問の委託をしているのであって、必ずしも必須でないということを知りました。
半年の養育期間が終わる前に再度、調査官による家庭訪問を実施して、その後に結審いただく予定とのことでした。希望の持てる内容でした。
よい雰囲気で1時間くらいの面談となりました。
調査官はベテランの男性調査官と、今回初めて参加する新人っぽい男性調査官の2名でした。赤ちゃんが元気に大きくなっていることを確認して前回の訪問から今回まであったことを細かく質問。
◎定期検診とその結果
◎予防注射のこと
◎年末年始やクリスマスの様子
◎風邪などをひいたかの確認
◎成長の様子
など。 そして前回の訪問と同様、今までのデイリーの育児日記表のコピー(カラー)の提出と、裁判官に見せる写真2枚(最新の家族旅行の写真と楽しい様子の写真)を提出しました。
会話中、ちょっと気になったところは2点ありました。
1つ目は実親さんについての考えで、毎年アルバムを贈ったり、何らかの交流をしていけたら良いと思うと話したところ、理想としてはそうだか、実親さんの気持ちや感情もあるので慎重に対応したほうがよいと、言われたこと。
2つ目は、【Babyぽけっと】との関わりについて。どの程度連絡を取り合っているのかと、今後どれくらい連絡を取り合っていくのかの質問でした。育児相談もさせてもらっていると話したら納得していました。
会との今後については、裁判認定後も、告知の問題や思春期における成長へのフォローもあるので、継続して連絡をとることになると説明しました。(確かに上記2点は調査官としても、裁判官から鋭く質問を受ける部分なのかも知れません。)
というわけで。無事終了しました。
赤ちゃんはニコニコと機嫌良く調査官に笑顔を振りまいてくれました♪
かわいいかわいいと言ってもらいました。
最後にベテランの調査官から、「今後の予定としては、順調に行って認定が確定した後は文書で通知しますので、もうちょっと待っててくださいね。」という言葉を貰いました。
後は家族3人で心穏やかに待つ日々となります。
会のスタッフの皆様のアドバイスやホームページを読んでいましたので、終始余裕をもって対応出来ました。
通常ですと、結審の通知書は、実親と養親双方に同時に発送されるので、養親は通知書が届いた日から2週間待って、それから確定の書類を受け取ることになります。
私たちのケースでは、養親が通知書を受け取って2週間たち、しばらくしてから確定の文書が送付されて来なかった為に、電話で調査官に確認したところ、実親さんへの発送が1週間遅れ(東日本大震災の混乱が原因と思われる。)もうしばらく待つこととなりました。
可能であれば、通知書が養親に届いたら、実親さんへの通知書の発送日の確認を調査官に対して電話することをお勧めします。その方が確実に時間が読めます。
通常であれば、その後、郵送で確定文書が裁判所から養親に送付されるのですが、私たちは待ち切れず、直接裁判所に発行日に受け取りに行きました。(私たちの裁判所ではそのように対応してくださいました。)