ぽけっとパーク

真実告知体験談

ケースNo.1

◆告知実施日及びその場所:2011年7月31日
◆当時の子供の年齢:5歳7ヵ月
◆家族構成:父・母・本人(長男)
◆実際告知した人:母
◆使用した絵本:「うまれてきてくれてありがとう」にしもとよう (童心社)

◆告知内容は?

この本を読み聞かせた後、お腹に入ったときのことを覚えているか尋ねたりしながら、「○○はね…」と切り出した。
お母さんのお腹が壊れていて入れなかった。それでも○○に会いたかったから、神様にお願いした。そうしたら神様が○○を一度よその女の人のお腹に入れて誕生させてくれた。子どもを欲しいと思っている夫婦だとそのおうちの子どもになってしまうから、子どもを産んでも育てられない夫婦を神様は選んだ。

でも、そのご夫婦も○○のことを大事に思ってくれた。だから、○○を育ててくれるお父さんとお母さんを探してほしいとマザーさんに頼んでくれた。マザーさんがお父さんとお母さんを探してくれて、知らせを聞いてお父さんとお母さんは○○を大喜びですぐ迎えに行った、と話して聞かせた。

「ずっとずっと会いたかったから、会えたときはすごく嬉しかった。」と話し、絵本のお話と同じように「うまれてきてくれてありがとう。だーいすきだよ」と息子を母親がぎゅっと抱きしめた。息子は、母親の胸に顔をすり寄せて、甘えた声を出した。

次に、それまでずっと側で話を見守っていた父親が、同様に「生まれてきてくれてありがとう」と息子を抱きしめた。

◆子供の反応は?

下を向いたり、母親の顔を見たりしながら、少し落ち着きはなかったが、淡々と聞いていた。時折、おちゃらけているような素振りさえみせながら適当に「うん、うん」と相槌を打っていた。あまりに驚いて平静を装おうと一生懸命だったように思われる。

◆告知後の感想及び子供の状況は?

その後、息子の様子にいつもと変わったところはなく安心した。かえって、あまりに普段と変わらぬ様子に、息子が告知の内容を理解していないのではないかと心配になったほどだ。

しかし、この話から2カ月半たって、息子の方から「僕はお母さんのおなかの中から出たんじゃないんだよね!?」と聞いてきた。そこで、以前した話を繰り返した。

それからまた1か月後、「僕を連れてきた人は、僕をどうやって連れてきたの?お腹を切って取りだしたの?」と尋ねてくる。今回は「誰から」ではなく、「どうやって」生まれてきたか疑問に思ったらしい。お腹を切ったのではなく、自分から、お腹の袋から出て、赤ちゃんの通る道を頭で押し広げながら外に出てきたことを説明すると納得する。

何かの話から、時折、息子は養子という現実を思い出すようだ。その都度、息子の思いをまっすぐ受けとめ、寄り添って繰り返し話をしていかなければならないと考える。

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