ぽけっとパーク

残念エピソード

実親さんの残念エピソードNo.1

実母さんは未受診のままBPに相談をされてすぐに産気づき、結局は自宅出産になってしまいました。
その後救急車で病院に搬送され適切な処置を受けましたが、救急隊員の方がへその緒を切ったことやお医者さんが出産に立ち合っていないということから、出生証明書をだしてもらえませんでした。

また、実母さんは離婚後300日以内の出産でしたので、民法に定められているように子供は元夫の戸籍にはいります。実母さんの希望で元夫には知られたくないことや出生証明書が無いことから受理されるには時間がかかるということでしたが、手続き(役所だけではなく法務局などにも行かなくてはならないようです)は、きちんとしてくださると仰っていたそうです。
しかし、出生届は提出されないまま実母さんとは連絡がとれなくなってしまいました。
裁判の申し立てもすることができず、先の見えない中、会のご厚意により弁護士さんをお願いする事になりました。

2013年10月 出生
2013年11月 引き渡し
2014年 4月 弁護士と面会、依頼
2014年 4月 家庭裁判所に特別養子縁組申請
2014年 5月 出生届提出
2014年 8月 裁判所呼び出し
2014年 9月 家庭訪問(1回目)
2015年 6月 家庭訪問(2回目)
2015年 8月 確定、入籍

出生届が提出されないことで困った事は
◎健康保険証を作ることができませんでした。
市役所で事情を話しましたが住民票が無いので作れないと言われ、そういった場合の特別な保険が無いか?と問い合わせたところ県に相談するという答え、結局は作れませんでした。
夫の会社の保険組合に相談したところ事情を考慮してくださり「養子」という扱いで、保険証を発行してくださいました。
◎予防接種は定期のものも任意扱いで実費となりました。
定期と任意の違いは無料か有料かの違いもありますが、万が一の時の保険が違います。市役所内で話し合ってくださったそうですが、定期扱いにはしてもらえませんでした。

実母さんは、裁判所の呼び出しにもずっと応じてくださいませんでしたが、元夫にも特別送達で手紙が送られ事情を知られてから急変、最後は裁判所に実母さん、元旦那さんが出向いて特別養子縁組の承諾をしてくださり無事に特別養子縁組が認められました。

コメント
1年10ヶ月と言う長きに渡る裁判でした。
その間、後から該当のあった家族がどんどん結審し入籍を済ませる中、いつもニコニコしながら動じないご夫婦でしたが心の中では口には出せない不安がいっぱいだったと心、中察するものがありました。

救急車搬送された実親のケースではその後も裁判の呼び出しに応じない、書類が整わない、行方不明になったなどと最悪の事態を招くことも多く、だからこの特別養子縁組でなければ子供は救われないと感じる時があります。
私達も助けたのだから親のすべき最低限度の責任は果たして欲しいと伝えて別れますが。。。

今回のケースは病院の証明が自宅出産なのでもらえずその為、法務局扱いとなり法務局での手続きが完了しないと行政への出生届け出は受理されずその間、子供は無戸籍となります。
でも同じ自宅出産でも救急車で搬送されて医師がきちんと証明書を出した例も4例ありますのでやはり医師が見ているところで出産しなかったから証明書は書かないと言うのはないのだと思いました。
どちらが正しいとかいう問題ではなく証明がもらえないと母子のかかる負担は非常に大きくなるという事です。
またその影響で住民登録も完了せず子供はきちんと存在し生きて元気にしているのに国民として認められず何も行政対応がされないのです。
養父側の勤務先がこの状態でも会社の保険に加入させて下さり予防接種は自費で受ける事になりましたが勤務先はこの子を人間として人権を認めて守って下さったと思い感謝の気持ちでいっぱいです。

子供は何も知らず無事に2歳の誕生日を元気に迎え、当時陰でどれだけ親達が心配と不安の中で過ごしたかを知らずに成長する事でしょう。
本当に養親様ご苦労様でした。お見事です!

注:管轄の裁判所ではここまで実親の協力が得られないケースは初めてという事でなかなか進まない裁判でしたが弁護士の協力もあり無事に入籍できました。

TOP