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残念エピソード

実親さんの残念エピソードNo.2

子供の引き渡し後4ヵ月を経過した頃にやっと実親の呼び出しが出来たと連絡が裁判所からありました。
それまで裁判所でも会でも全く連絡がつかず気をもんでいました。
裁判所から「今、実母さんが来られて面接が終了し帰られました」と連絡があった時は本当に良かったと思いました。

しかし担当調査官から「来たには来たのですが・・・それが自分で育てるそうです。認めないと言ってますのでここから先は進められませんので」と言う言葉に唖然としました。
聞き間違いか??と「もう一度言って下さい」と言いましたが同じ言葉で繰り返されて「裁判所としては取り下げて頂くしかないです。引き取ると言っているので」と言われました。

その後、全く聞き耳持たずでした。
実母の現在の住所・現況など聞いたのかどうか、この実母さんは過去に大きな問題を起こしていることも分かり、その話を裁判所にしましたが信用していない感じでその確認もしなかったようです。

たとえインタ-ネット上に出ていた内容でも会では本人確認出来ていますが鼻で笑っていた感じがしました。
今回は凄く大きな問題です。生後4ヵ月ですがその後、養親とも相談して今なら選択肢がいくつかあるけどどうするかは自分たちで決めて欲しいと言いました。

当会では過去に引き渡し後の心変わりは2件ほどで最長1ヵ月でしたが今回は更新しました。
勿論、養親は育てて行きたいに決まっています。
普通なら弁護士を介入させますが会への調査嘱託も届かない前の事で裁判取り下げは弁護士を介入させても無理な気がして「今回は残念だけど返して次のご縁を迎える事にしませんか」と切り出しました。

沢山の関係者に相談しました。そして悩んで考えて考えて、でも以前子供を返した2組の家族も一時は苦しだけど次に子が来たらその苦しさはすぐに吹き飛び毎日幸せに生活しております。
それを考えてもこれ以上の養育はこの夫婦が苦しむだけだと思いました。

ある方が「もう児相を介入させて後は児相の判断に任せた方がいい」と言われてやりたくはなかったのですが児相に相談して民間から逆に子供を委託された形になり「初めてのケースなので」と簡単には引き受けて下さいませんでしたが会議の結果乳児院に一旦保護の形になりました。本当に残念でなりません。
しかも4ヶ月の時に裁判所に現れて「自分で育てる」の一言でどれだけ養親を苦しめる結果になったか。
その後、引き渡すならば早い方がいいと言いましたが乳児院がいっぱいで空きがなく更に時間が経過して結局生後7ヶ月を迎える4日前に引き渡しが完了しました。

最後の日、分かっていてもどうにもならない養親の悲しみははかり知れません。
我慢して我慢して・・・最後にオムツ交換してミルクを飲ませてご機嫌のうちに担当者と出発して行きました。
実母は1年ほど働いてお金を貯めて実家に帰り育てて行くそうです。
今までかかった費用は現在迄戻って来ません。勿論、会から養親には返金しましたがお金の問題ではなく誠意の問題です。
産みの親だからと言って「育てるから返せ」の一言で子供はいい環境で成長していたのがいきなり乳児院に行き、措置解除になるのはどのくらいの時間がかかるのか、今後この子の将来が心配でなりませんが親権が有利なこの日本ではこうなるとどうにもなりません。

養親が裁判所で言われたのは「一旦取り下げて数年育ててみてまた裁判申請したら今度は実親が認めてくれるかも知れない」
何の保証もないままこれは勧めたくないですね。先の見えない養育でありまた呼び出しに応じない・認めないと言われたら最悪です。
それならば「6ヶ月以上育てて辛い思いをしたけど人生の中の6ヶ月なんて後から考えたら小さなことになるから、自分たちの今後を大事に考えて養子縁組を希望するならばここは辛いでしょうが切り替えて新しい一歩を踏み出して行きましょうよ」と言いました。

担当者の話によると全然実母は反省もなく「乳児院での保育料を養親が払ってくれないかな。なんで払ってくれないんだろう。払ってくれればいいのに」と言ったそうです。担当者も呆れていました。
また「裁判所の呼び出しで特別養子縁組は決めればいいと思った」と言ったそうです。
この児相は養子縁組を勧めている感じではないので「会でよく説明したのか・・・」みたいに感じたようです。実母が理解していないと言われました。
3ヵ月も母子寮に世話になり同じく他の実母たちも生活していたしその間に、勿論今後の流れや書類の署名・捺印の時も1枚づつ説明して認証させましたので聞いていないとは言わせないです。
何でも言えますよね実親が有利ならば。

ここまで養育して来た養親の気持ちや関わった私たちのことなど何とも感じていないのでしょう。
そして自分の発した言葉で子供が今後どんな人生になるのか、責任の重大さを感じる時が必ず来ると思います。
こういう場合、他の案件では実親に「年間計画書を出しなさい」と裁判所では言ってそれで「こんなのでは無理です」と却下されたのが2件あり特別養子縁組が確定しました。

なのでどうして来た日に実母だけの話を聞いてすぐに取り下げの判断を裁判所はしたのか・・・調べもしないで。
私達も育てて行ける親なら喜んで返したいと思いましたが、育てて行ける状況の親でないと思うしなぜに裁判所と児相には連絡がついて会には何ら連絡して来ないのか、こんなに長く養親に育てさせて感謝の言葉も詫びの言葉もなく平気な顔していたのが最後に児相の配慮で面会が実現して呆れました。怒りも通り越していました。
話す気もしないけど言うべき事は言いました。しかし何も感じなだろうなと言う感想です。

同じ裁判をするのに非常に大きな温度差があるのが残念でなりません。実親の言い分のみを簡単にその場で認めて「取り下げ」を言われてしまうのはいくら法にのっとっているとは言え、養親側の気持ちなどどうでもいいのかと不公平さを感じてなりません。

ある児相の元所長さんに聞いたら「こういう時には所長の権限で特別判断が出来て裁判所に書類を出してやれば裁判官は決めるはずです」と言われました。この方はそうしたそうです。
でも話すら担当者は聞いていない感じでした。「裁判所は国の機関で児相も同じですから」と言われました。
でも片や「年間計画書」で確定させている裁判所もあります。
矛盾を感じる案件でしたが今は養親は傷つき悲しみのどん底で、養母は実家に帰り少し静養するそうです。当然ですね。日中、一人で長い時間を過ごす毎日ですから。

いっぱい泣いてその思いは置いて来てと言いました。
帰ったら新しいスタートを切りましょう!
養親にも少し配慮がある法案になって欲しいと思いました。

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