ぽけっとパーク

真実告知体験談

ケースNo.13

皆さん、こんにちは。
東北・信越ブロック、マロンケーキです。

2012年、私たちが初めて参加させていただいたシンポジウムの次の日にミルキーちゃんは生れました。明日で6歳になります。
プリキュアやデイズニープリンセスが大好きで布や紐など色々な物を使って自分なりのプリキュアやプリンセスに変身してヒラヒラ、キラキラさせて遊んでいます。女の子らしい反面、何に対しても負けず嫌いで出来るようになるまで頑張る性格です。先日の運動会も「いちいになるぞ~」「かつぞ~」とかけっこ、玉入れ、綱引き、障害物リレーを頑張りました。運動会直前まで跳べないと言っていた跳び箱も当日は綺麗に跳ぶことが出来ました。子ども園で初挑戦のバルーンでは、自分だけが頑張ればいいのではなく、友達と協力して物事を成し遂げるということも経験でき、身体的な成長ばかりではなく精神的な成長も感じることができました。
大きくなったら2歳の時は、きりん、3・4・5歳はエルサ、今はスケート選手になりたいようです。夢は大きく持って成長して欲しいと願っております。

私たち夫婦は15年の不妊治療を経て、県の里親研修でベビーポケットのOB、Tさんと知り合い、ベビーポケットの話を聞き、申し込みをしました。
元々排卵障害があり、結婚当初から不妊治療を始めていました。不妊治療に関して自分が無知だったこと、近くの病院では不妊治療にあまり力を入れていなかったこともあり、不妊治療専門の先生に出会ったのは治療を始めてかなりの年数が経過してからでした。そこで知ったのは排卵障害と子宮内膜症だということ。子宮内膜症はなかなか妊娠しにくいという事実でした。

子宮内膜症の治療をしていれば内膜症が少しでも落ち着いてくれれば、いつかは妊娠するかもしれない、と小さな望みを胸に後1回、後1回・・・と治療を重ねました。しかし望みは叶えられることはなく、内膜症も思っていたより良くはならず、後半は卵子の老化もあり、採卵しても受精しないことも多く、採卵するたびに腹膜炎を起こして入院が続き、卵管水腫になり卵管を切除しました。
年齢的にも精神的にも限界になっていた時期に卵管を切除し、いくら頑張っても自然に妊娠することはできなくなりました。

治療中は妊娠することばかりに一生懸命になっていましたが、改めて子どもと一緒に暮らしたい、一緒に色々なことを経験したいという気持ちを夫婦で確認し、県の里親に登録をお願いしました。しかし、なかなか登録の連絡が来ないため連絡を入れると、児相の担当が里親登録の書類を提出しないまま、他の部署に移るというトラブルに巻き込まれ、半年遅れで登録をしましたが虐待に力を入れていて特別養子縁組はほとんど可能生がないということを知りました。里親研修で先程もお話したOB、Tさんと知り合い、ベビーポケットと巡り合わせていただきました。そしてミルキーちゃんとのご縁をいただき、現在に至っております。沢山、色々なことがありましたがミルキーちゃんと会うために必要な時間だったと思っています。

シンポジウムに参加して子どもが自分の出自の経緯を知ることの大切さ、告知がいかに大切かを感じ、先輩方の話を聞いて、いつどのようにどんな言葉で伝えていくかを色々考え、話すタイミングだと感じた時にその年齢に合った言葉で伝えていこうと思い接してきましたが上手くいかないこともありました。
告知が成功したかどうかは大きくなってからわかる、とマザーさんがおっしゃっておりました。我が家もまだまだ告知の途中です。上手くいかなかったことも含め、お話させて頂くことが、これから告知をされる方の参考になれば幸いです。年齢とその時の反応、エピソード等をお話させていただきます。

間もなく3歳
シンポジウムの前日、宿泊するホテルから産まれた病院が近いので告知に向けてのきっかけになればと思い行ってみました。「ミルキーちゃん、ここで産まれたんだよ」と話してみましたが、まず赤ちゃんがどこから産まれてくるのか理解できていなかったこと、赤ちゃんに関心がなかったことで、全く無関心でした。

3歳8か月
なかなか妊婦さんと会う機会もなく、赤ちゃんがどこから産まれてくるのか話ができないまま時間が過ぎていました。
私の元職場、後輩の妊婦さんに偶然出会い、お腹を触れさせてもらいました。赤ちゃんはお母さんのお腹の中で長い時間をかけて大きくなって産まれてくること、お母さんはお腹の中で大事に大事に育ててくれることを話しましたが興味を示すことはありませんでした。

日々の生活や交流会等でお会いした方のことを覚えていることが多くなってきたので、入浴中にBPの交流会で遊んだお友達の話をしながら、ママが二人いることを話そうとしてみました。
でも核心に迫ると「シーッパパがくるから」と話を止められてしまい、その後も何度か話をしようとしてみましたが、いつも話の話題を他に逸らされ、まだ告知は早かったのか?解っていないようで解っているから聞きたくないのか?どのように話し出していいのか悩みました。この状態では普段の何気ない会話の中では話を逸らしてしまい告知は進まない、無理に話しても仕方ないと思い、ミルキーちゃんから聞いてきたら話すことにしてしばらくは告知の話はお休みすることにしました。

年少 、4歳
シンポジウムでマザーさんや沢山の方と触れ合わせていただいたので、話をするタイミングかなと思い、結心には産んでくれたママと今一緒にいるママと二人のママがいること、シンポジウムで一緒に遊んだお友達もママが二人いることを話ました。
返事はしていましたが、ミルキーちゃんから何か聞いてくることはなく、表情を変えることもなかったので、それ以上は話をしませんでした。

年少 4歳8か月
「ミルキーは、ママからうまれてきたんだよね?」
「あかちゃんは、おかあさんのおなかからうまれてくるんだよね?」
急に、どうしたの??とこちらもびっくりする突然のミルキーちゃんからの質問でした。パパにも同じ質問をしていた事を後でパパから聞きました。
違うよ、と答えるとBPのこどもたちが一度は質問する
「マザーさんからうまれたの?」との言葉も聞かれました。
ママは産んでいないこと、産んでくれたママがいること、マザーさんはパパとママがどうしても赤ちゃんと一緒に遊んだり、ご飯を食べたり、お出かけしたりしたいです、とお願いしてミルキーちゃんを連れて来てくれたんだよ、と話をしました。納得してくれたのか?自分の思っていた答えとは違ったからなのか?その後の質問はなく、話は終わってしまいました。

園でも話しをするかもしれないことを担任の先生に話をすると友達に赤ちゃんが産まれたことや友達のお母さんのお腹に赤ちゃんがいることがクラスで話題になっているとのこと。
出自のことを聞きたがった理由がわかりました。

年中  5歳
年中さんに進級すると登園時、私から離れることを嫌がることが多くなり告知が影響しているのか、と思っていましたが、反面
「ミルキーは、だれからうまれたの?」
「ミルキーには、ママがふたりいるんだよね?」
「ミルキーは、なんでママからうまれてこなかったの?」
「ミルキー、ひこうきにのってきたんだよね」
と質問することが多くなりました。
ミルキーちゃんからの質問には、「ママのお腹が病気で赤ちゃんを産めなくて、でもどうしても一緒に楽しいことをしたりずっと一緒にいたりしたいです、
とマザーさんにお願いしてミルキーちゃんが来たんだよ。」とゆっくり理解できる言葉でその都度、伝えました。
告知が少しずつ進むにつれ、何でも興味を持つかと思えばそうではなく再度、産まれた病院へ行ってみても反応は薄いということもありました。

H28年4月からブロック長をさせていただき、保育研修で待機組さんのご自宅へ伺うことが多くなりました。
研修に行く準備を始めると「ベビーポケットにいくんだよね」との言葉も聞かれ、保育研修に伺わせていただくことも我が家では、大切な告知の一つになっております。ベビーポケットで会うお友達はみんなマザーさんがパパやママのところへ連れて来てくれたんだよ、ミルキーちゃんだけじゃなくママが二人いるお友達は沢山いるんだよ、と話ながら準備を手伝ってもらっています。
ミルキーちゃんの話や質問からベビーポケット、マザーさん、ママが二人いることが少しずつ繋がってきていることを確信しています。

年長  5歳9か月
ごく自然にミルキーちゃんから告知の話や質問が出てくるようになり、登園時の不安定さも解消されてきています。
昨年より内容はごく簡単ですが友達や先生に手紙を書いていくことが多くなり、私にも何通か書いてくれました。
産んでくれたママにお手紙書くとしたら何て書く?と聞くと「おかおがわからないからなんてかいていいかわからない」との返答。
会ったことがなく、お顔を想像できないのに手紙を書いてみる?の質問はミルキーちゃんの今の年齢では、難しいことでした。いつか産んでくれたママのお顔が見たいと言った際に見せようと思って作っていたアルバムを渡しました。
数日、アルバムをめくって見ていましたが、お手紙を書きたいと言うことは今のところありません。自分の中で色々考え、整理できた時、急に書き出すことがあるかもしれません。

「ミルキーは、ママからうまれてきたんだよね」の質問のきっかけをつくってくれた友達の妹や弟も一緒に遊べるくらいに成長し、園で一緒に遊んで帰って来ると「あかちゃんがほしい」と言うことが多くなりました。
お腹が病気で赤ちゃんを産めないことを話すと「マザーさんにおねがいして」と即、返事が返ってきました。
自分もマザーさんが連れてきてくれたことを理解してくれていることがわかりました。話をしたことにすぐに反応を示すのではなく、時間をかけて自分の中で整理しているように感じます。

皆さん、デイズニープリンセスの「塔の上のラプンツェル」をご存知でしょうか?
色々な困難を乗り越え、最後には本当の親に会うことができたというお話です。
小さいときからデイズニープリンセスが大好きでしたが、「ラプンツェル」と自分の姿と重ね合わせている部分があるのか、最近は特に見ていることが多いです。
「さいごにほんとうのおかあさんにあえてよかったね」と何度となく同じことを言うので会いたいことを言い出せないのかな?と思い、「産んでくれたお母さんに会ってみたい?」と聞いてみました。
今はまだ会ってみたい気持ちはないようです。これから成長していく中で「会いたい」「話をしてみたい」と思った時は実親さんの事情もあるとは思いますが、直接、自分の気持ちを伝えられるような機会をつくってあげられたらいいなと思っております。

我が家の告知は入浴中、私と二人の時に始まりました。
最近はお風呂やお部屋の中で私と二人で話をしていますが、時々パパと二人の時にも質問したりしているようです。
告知は親子三人揃っている時が良いとシンポジウムでお聞きしましたが、なかなか三人揃って話をする機会のないまま現在に至っています。
いつか三人で話す機会があると思いますので、その時まで無理なくママはママ、パパはパパで話していこうと思っています。

まだまだ告知の途中で、話したことがどこまで理解できているのかはわかりません。私たちが話をしたことにその場ですぐに反応する子ではなかったので不安な時もありました。
今は、ミルキーちゃんが話すことや質問から話をしたその場で反応がなくても私たちが話したことを時間をかけて自分の中で整理していることが分かります。
これからどんな質問が出てくるかはわかりませんが、その時、その年齢に合った理解できる言葉で丁寧に繰り返し、伝えていきたいと思います。

告知の年齢やどんなタイミングで伝えていくかはそれぞれ子どもに合わせてだと思います。私がお話させていただいたことが、これから告知される方のヒントになれば幸いです。
今のこの幸せは、私たち二人ではたどり着くことはできませんでした。沢山の方に支えられ、協力していただきました。
私たちにミルキーちゃんを託してくださった実母さん、ご縁を結んでくださったマザーさん、スタッフの皆さん、ベビーポケットのことを教えてくださったTさん、支えてくださった同期、OBの先輩方本当に感謝しております。ありがとうございます。
これからも一緒にミルキーちゃんの成長を見守ってくださいますよう、よろしくお願い致します。

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